2008/05/04

大学都市 日本館の藤田の壁画



こちらにきて仲良しになったネズミ君も


馬の図の部分、全体は手ぶれ写真になってしまたので・・・

 同じ研修先にきている明治大学の先生が日本館に滞在しているので、今までみたことのなかった藤田嗣治の壁画を見に行きました。見に行く前に、日本文化会館で林洋子さんの論文「藤田嗣治の1920年代末の壁画表現 -パリ日本館<欧人日本への到来の図>の制作プロセス」という論文を読み、少し予習してから行ったのですが、この論文はこの壁画を修復する作業の産物であり、藤田が晩年住んでいたエッソンヌ県が所有する五つの作品が再発見された話ものっています。


 それは、「構図(1)」「構図(2)」「争闘(1)」「争闘(2)」の再発見の話など、興味深いです。これらは、1929年に朝日新聞社が発行した『藤田嗣治画集』に掲載されていたもので、長らく行方不明となっていたものです。そして、これらの作品は、この夏以降日本で公開されることになっていますので、フランスにいる私よりも、皆さんの方が先に見ることが可能になるのかもしれません。


 さて、日本館には入り口はいって正面、学生たちの部屋への階段入り口のところに「馬の図」が、入り口はいってすぐ左のサロンに「欧人日本への到来の図」が飾られています。明治大学の先生は留学時代に修復前の作品に接していて、特に馬の図などは、修復されて威厳がなくなったと言っていますが、修復の難しさがあるのかもしれません。


 私は藤田の専門家ではありませんが、初めてこの絵をみて、描線の切れの良さと、不透明な影のコントラストとか、木目の表現のおもしろさとかを感じました。また、多く描かれている動物たちの可愛さが気に入りました。この絵を日本に運ぶというのは、難しいでしょうから、美々の皆さんも是非フランスに留学して、この絵を日常的に見られるようになれたらいいですね。

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