2008/05/13

パリのオペラ座



ガルニエの肖像の後ろにオペラ通りがあります。
手前がメトロの駅、オペラ通りは見通しが良いです。

絢爛豪華なロビー、皆撮影しています。

 オペラの舞台のことをこれまで書いてきましたが、オペラ座のことについて少し書きます。80年代のミッテラン政権において、バスティーユ広場に新しいオペラ座が作られました。これは、オペラの民主化ともいわれ、多くの人が気軽にオペラを見に行くことが可能になりました。この新しいバスティーユのオペラ座で、殆どのオペラが上演されています。一方、古いオペラ座 つまり1860年代以降の、ナポレオン三世の時代、セーヌ県知事オスマン男爵によってなされたパリ大改造時において作られた、オペラ座は、その設計者シャルル・ガルニエの名をとって、現在ではガルニエ宮と呼ばれ、主としてバレエの公演に用いられています(オペラの上演もありますが、少ないです。)。このガルニエ宮は第二帝政時代のリッチな雰囲気を伝えるものであり、入場すると巨大な階段室に驚きます。そして階段をあがり、ロビーに行くと絢爛豪華な装飾に圧倒されるというわけです。


 このロビーから、休憩時にはバルコニーに出ることが出来ますが、そこからオペラ通りを見下ろすことができます。このオペラ通りはオスマンの都市計画の典型的な事例であり、オペラ座からルーブル宮殿まで見通しが悪かったので、既に建っている建物を壊してまで、オスマンこの通りを造ったのです。つまり、今まであった四角の街区に対して、そこに対角線を引くように道を造ったため、オペラ通りと従来の道は直角に交わらず鋭角で交わります。だから、一本道間違えると遠回りを強いられることになるのです。オルセー美術館には、このオペラ座の建物の断面の模型と、オペラ座周辺の街をジオラマで再現しているコーナーがあります。そこでは、このオペラ通りの特殊性を確認できるというわけです。


 さて、今日はそのオペラ座関連の写真を載せますが、ガルニエ宮のオペラ座はオペラやバレエを見なくても、昼間には訪問することが出来、公演時には入れない図書室(研究用の図書室は別にあり、それは入れません)や、舞台装置の模型などが展示されている場所、さらには地下の鏡のロビーなどに入場できます。とはいえ、やはりオペラ座の座席に座り、公演を見ることの方が楽しいです。

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