2008/10/02

Christian Boltanski / Marie Cool&Fabio Balducci@Maison Rouge



バスティーユ側のメゾン・ルージュで開催中の二つの展覧会を見に行く。いつも通り、ポンピドゥーの会員証を見せて割り引き料金にしてもらおうとしたが、なにやらシステムが変わり、一回ごとでなく会員証を作ってくれとのこと、帰国までにあと3回ぐらいは展示が変わるだろうから、12ユーロで会員証を作った。(ちなみに入場料は一回6ユーロ50 割引で4ユーロ50)
入場して、最初にボルタンスキーの「心臓のアーカイブ」、例によって暗い空間に入り込み、心臓の音に合わせライトが点滅し、壁には無数の鏡、さらに奥にはプロジェクターで自身の顔が投影されている。越後妻有の「最後の教室」が思い出される。別室では、自分の心臓音を記録するというもの、2年後に日本での展示の素材となる。
次の展示は、ビデオ作品とパフォーマンスによるもので、Marie Cool とFabio Balducciによる作品。作品は、極めてシンプル パフォーマーのMarie Coolが展示室に座っている。展示室には三つの机がおかれ、天井から糸が床に蜘蛛の巣のように張られている角、展示室奥には糸が水平に張られている、天井から糸でつるされた白い紙で出来た玉、や筒などetcそのような空間を、パフォーマーは移動して、ミニマルな動作を繰り返す。例えば、椅子に座り 机の上で、白い紙あるいは糸を置きそれを移動させることで、ある空間を作ったり、蜘蛛の巣の糸の背後に座り、数本の糸を束ねたり、あるいは部屋の中心に移動し、合わさった二枚の紙を水をつけた両手で挟み、それをゆっくりと離していくetc
一連の動作は、音もなくミニマルで静謐な感じ、あるいは何か瞑想的な感じ、そしてその動作によって、空間の中に、シンプルな造形が形成され、それが消滅することが繰り返される
ボルタンスキーの方がメジャーでしょうが、こちらのパフォーマンスの方が、断然美しく面白かった。
ビデオ作品は、白い紙が影から光の場所へと移動させると、その紙自体の形が光のなかで消滅するものが美しかった。 こちらに来て、メゾンルージュは3回目だが、この作品が一番だと思った。

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