2008/12/18

ピエール・ローラン・エマールのメシアン


シャンゼリゼ劇場で、ピアニストのエマールらによる、メシアンのコンサートへ行く。生誕100年の記念年も終わり近いので、これが今年のメシアンの聴き納めとなる。エマールは、同じユダヤ人の強制収容所の記憶を意識して、ハンガリーのノーベル賞作家イムレ・ケルテースの自伝的小説「運命ではなく」の朗読と、リゲティやシェーンベルク、そしてジョン・ケージの4分33秒という沈黙を演奏する。そして、メシアンはドイツ軍の捕虜となって、ゲルリッツの収容所で作曲された「世の終わりのための四重奏曲」
確かに、意欲的なコンサートなのだが、先日の名曲コンサートとちがって、客足は悪い。演奏はというと、途中で最後まで聞けなかったチョン・ミョン・フンのそれと比較したくなる。というのも、チョンのピアノは、極めて透明で、しかも造形的な演奏だったのに、エマールのそれは、情念的すぎる。それは、コンサートへの思い入れによるものなのかもしれない。

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