2009/02/08

小澤征爾のコンサート@バスティーユ


小澤征爾は日本を代表する指揮者であることは言うまでもない。長くボストン交響楽団で活躍したあと、ウィーン国立歌劇場の音楽監督にもなった。ウィーンフィル、ベルリンフィル、ニューヨークフィル等々、世界中の有名なオーケストラを指揮していて、名声もある。その小澤征爾が、オペラ座のオケを振るコンサートがあるので、出かけた。曲目は、ハイドンイヤーということもあるのだろう、ハイドンの協奏交響曲、そしてメインがブルックナーの交響曲第一番。このプログラムが発表になって、なんと地味な選曲だろうと思ったのだが、この選曲で新日本フィルの演奏会をしてから、ウィーンフィル等でも演奏するらしい。そして、パリでもブッキングされたのだろう。最初、この選曲だったら客は入らないだろうと思っていたのだが、いざバスティーユに着いてみると、パリ在住の日本人が多くあつまったからかもしれないが、満席で小澤人気は健在だった。小澤征爾は、日本フィルが分裂して、新日本フィルを立ち上げた最初の演奏会で、ハイドンのこの曲を取り上げたらしいが、今回の演奏では、ソロをつとめたオペラ座管の奏者たちに、ゆだねるような感じで、自然体の音楽とでもいうべきものだったのかもしれない。そして、休憩後のブルックナーは、オケを見事に統制して、造形的な音楽を作り出したとおもう。僕が感心したのは、第二楽章の美しさであるが、それは三本のフルートが良かったことも大きく原因するだろうが、その美しさや、最後の盛り上がりといった純粋音楽的なものというのが、ブルックナーの音楽の本性から遠くなることも事実だろう。これは、彼がサイトウキネンオーケウストラで録音した、ブルックナーの7番にもいえる話だろう。

0 件のコメント: